理事長メッセージ

 皆様、こんにちは。日本遺伝子診療学会のホームページへようこそ。日頃から日本遺伝子診療学会の学会活動にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。
 2024年を迎えてご挨拶申し上げます。
 最近数年では遺伝子診療をめぐる環境は加速するように流れております。2022年3月に日本医学会の「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」が11年ぶりに改定されました。2023年6月には「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律」が成立しました。また、がんゲノム医療や稀少疾患の遺伝子パネル検査の保険収載が続き、新型コロナウイルス感染症における病原体核酸検査への貢献は言うまでもありません。これら遺伝子診療の発展に当学会でも貢献できるよう引き続き尽力を続けてまいります。
 本学会の目的は遺伝子関連技術の臨床的応用に関する研究の推進と向上および良質な遺伝子診療の推進と発展・普及をはかることです(会則第3条)。医療者のみならず遺伝子診療に関わるすべての方々にご活躍していただいております。

 ここで本学会の役割と特徴をまとめてみます。

  1. 本学会は⽇本⼈類遺伝学会、⽇本遺伝カウンセリング学会とあわせて遺伝医学関連三学会の一つとして認識されています。その役割として兄弟2学会と連携して学術研究や医療現場における技術的側面、人材育成側面、産学連携側面、倫理的・法的・社会的な課題での発展に尽くしています。
  2. 本学会は臨床検査と臨床遺伝とを橋渡しをするという役割があります。病院内の組織でいうと臨床検査部と遺伝子診療部ということになります。実際、学会の構成員をみても臨床検査に携わっている方と臨床遺伝に携わっている方が中心になっています。
  3. 本学会の現在の主な活動として年に1回の学会大会、2010年から開催されている「遺伝子診断・検査技術推進フォーラム」、2015年に第1回認定試験が行われた「ジェネティックエキスパート認定制度」とその取得に関与する「臨床遺伝情報検索講習会」があります。それぞれ、参加者の皆さんの学際的な交流の場で非常に有意義なものになっていますので、ぜひご参加してください。
  4. 新型コロナウイルス感染症が広まったことで病原体核酸検査は注目を浴びました。当学会委員会では現場で活かせる解説書を作成しホームページ上で公開していますのでぜひご活用ください。

 日本遺伝子診療学会は当初遺伝子診療研究会として1994年に自治医科大学の河合 忠教授と京都大学の森 徹教授によって設立されました。今後も私の全力をもって本学会の発展に尽力したいと思いますので、ご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

令和6年1月11日 
理事長 中山 智祥(日本大学)