理事長メッセージ

 皆様、こんにちは。日本遺伝子診療学会のホームページへようこそ。日頃から日本遺伝子診療学会の学会活動にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございます。
 2021年2月5日に開催されました日本遺伝子診療学会理事会(オンラインZoom会議)におきまして,小杉 眞司前理事長の後任として、日本遺伝子診療学会理事長に選出されましたので、ここにご挨拶申し上げます。
 本学会の目的は遺伝子関連技術の臨床的応用に関する研究の推進と向上および良質な遺伝子診療の推進と発展・普及をはかることです(会則第3条)。診療は診断(診察)と治療などを行うことです。医療者のみならず遺伝子診療に関わるすべての方々にご活躍していただいております。

 ここで本学会の役割と特徴をまとめてみます。

  1. 本学会は日本人類遺伝学会、日本遺伝カウンセリング学会とあわせて遺伝医学関連三学会の一つとして認識されることがあります。その役割として兄弟2学会と連携して学術研究や医療現場における技術的側面、人材育成側面、産学連携側面、倫理的・法的・社会的な課題での発展に尽くすことだと思います。
  2. 本学会は臨床検査と臨床遺伝とを橋渡しをするという役割もあります。病院内の組織でいうと臨床検査部と遺伝子診療部ということになります。実際、学会の構成員をみても臨床検査に携わっている方と臨床遺伝に携わっている方が中心になっています。
  3. 近年、遺伝子関連検査がきちんと分類され、新型コロナウイルス感染症が広まったことで病原体核酸検査が注目を浴びています。分子生物学的手法を用いるという点で、学術的境界はなくなってきていると感じます。病原体核酸検査の技術開発や精度保証など本学会の役割が広がると考えます。
  4. 本学会の現在の主な活動として年に1回の学会大会、2010年から開催されている「遺伝子診断・検査技術推進フォーラム」、2015年に第1回認定試験が行われた「ジェネティックエキスパート認定制度」とその取得に関与する「臨床遺伝情報検索講習会」があります。

 日本遺伝子診療学会は当初遺伝子診療研究会として1994年に自治医科大学の河合 忠教授と京都大学の森 徹教授によって設立されました。私は、そのニュースを聞いて1995年に入会し、その後ほぼ毎年演題を発表してまいりました。河合 忠教授は日本大学医学部にご所属されておられたことがあり、私の大先輩であります。また2014年のジェネティックエキスパート認定制度の立ち上げに関与させていただいたこと、2016年に第23回日本遺伝子診療学会大会を主催させていただいたことなどを通じて、歴代理事長であられた福嶋 義光先生、羽田 明先生、小杉 眞司先生には大変お世話になりました。

 この度本学会の理事長を拝命し、学会の基礎を築かれた先生方、学会運営に貢献された方々へ恩返しをしなければならないと思います。私の全力をもって本学会の発展に尽力したいと思いますので、ご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

令和3年4月1日 
理事長 中山 智祥(日本大学)